キタキツネ物語(1978年公開作品)

キタキツネ物語(1978年公開作品)

わたくし自他とも認める動物好きで、小学生の頃は本気でムツゴロウ王国に就職しようと思っていました。
思い立ちすぐに断念した理由は、あそこで務めるには獣医の資格が必須だったから。予防接種すら視線を逸らして猫を押さえるような自分に、ましてやメスもって手術とか、無理、無理だから、と(笑)。今でも注射とか、まともに見てません。そして獣医さんに笑われてます。

そんだけ動物が好きだと動物映画にも少々うるさいのですが、動物への視点や考え方については尊敬しているムツゴロウ氏の撮った映画(子猫物語)でさえ、動物映画として認めたくない。というくらいちょっとこだわりが。

唯一、動物映画として認めているのが、このキタキツネ物語。
この頃のサンリオはすばらしい映画をいくつか作っていて、そのひとつです。
人間の登場はひとりもなく、物語は柏の木「長老」の語りですすんでいきます。映像はキタキツネとその家族たちの一年を廻るもので、コンセプトとしてはいわゆる密着ドキュメントに語りを乗せて物語風にしました、みたいな。それだけに、自然の美しさ厳しさ、出会いと死別、愛情と哀しさがぎゅっと凝縮されています。
人間視点のかわいいだけのものでもなく、気の萎える演出もなく。映像はすばらしく、最後にはせつなさを残し、何度見てもいい、でもって子供に見せたいと思える動物映画です。実際、わたしも最初に観たのは母親に連れられていった映画館で、当時はまだ意味の判らないところもたくさんあったけれど、一生忘れられない映画になりました。サンリオは本当にすばらしい。

ところで、この映画はGodiegoが音楽を担当しているんですが、彼らも子ギツネたちの歌を担当して歌ってまして、これが初めて日本語で歌った曲だった、という逸話があります。CMソングでワンフレーズ、日本語が入ったことはあったけどね。